
長野県上田市にある「上田城(上田城跡公園)」は、戦国時代の名将・真田昌幸によって築かれ、徳川の大軍を二度にわたって退けた「不落の城」として全国にその名を轟かせています。
現在は、四季折々の美しさを楽しめる広大な公園として整備され、春には千本桜、秋には見事な紅葉が歴史的な遺構を彩ります。NHK大河ドラマ『真田丸』で一躍脚光を浴び、今なお多くの歴史ファンや観光客が訪れる、信州を代表する一大観光スポットです。
本記事では、上田城を120%楽しむために知っておきたい「激動の歴史」から、絶対に外せない「必見の見どころ」、そして電車・車それぞれの「詳しいアクセス方法や駐車場情報」まで、観光に役立つ決定版ガイドをお届けします!
上田城案内図

上田城 鳥瞰図

上田城 バーチャル空撮
徳川を二度も退けた「不落の名城」上田城の歴史
上田城を語るうえで欠かせない人物が、真田昌幸です。
真田昌幸は、武田氏に仕えた後、戦国時代の激動の中で真田家を守り抜いた知略の武将として知られています。
上田城は、そんな昌幸が真田氏の本拠地として築いた城でした。
当時の上田周辺は、上杉氏、徳川氏、北条氏といった有力大名の勢力が入り組む重要な地域でした。
昌幸はその中で、時に同盟し、時に対立しながら、真田家の生き残りを図っていきます。
上田市の公式解説によると、昌幸は当初、徳川家康の援助を受けて上田城の築城を始めました。しかし、沼田領をめぐる問題から徳川と対立し、やがて徳川軍の攻撃に備えることになります。
つまり上田城は、単なる居城ではありません。
真田昌幸が大国に囲まれながら生き抜くために築いた、戦略拠点としての城だったのです。
上田城の最大の魅力は、その驚異的な「強さ」にあります。まずは、この城がどのようにして戦国最強の砦となったのか、その歴史を紐解いていきましょう。

天正11年(1583年)、真田昌幸による築城
上田城は1583年、智将として名高い真田幸村(信繁)の父、真田昌幸によって築かれました。千曲川の分流である尼ヶ淵(あまがふち)の断崖を南側に配し、北側や東西にも広大な泥深い湿地帯を巡らせることで、自然の要害を最大限に活かした設計となっています。
徳川軍を圧倒した「第一次・第二次上田合戦」
上田城を舞台に、真田氏は徳川家康の大軍と二度にわたって砲火を交えました。
- 第一次上田合戦(1585年): 約7,000の徳川軍に対し、真田軍はわずか2,000。しかし、昌幸は巧みな城下町への誘い込みと伏兵作戦により、徳川軍を大敗させました。
- 第二次上田合戦(1600年): 関ヶ原の戦いに向かう徳川秀忠(後の二代将軍)率いる約38,000の大軍を、昌幸・幸村親子はわずか3,500の兵で足止めし、関ヶ原の本戦に遅参させるという大金星を挙げました。
数倍もの大軍を二度も退けたエピソードから、上田城は「不落の城」「落ちない城」として、現代でも受験生やビジネスパーソンのお守りとして信仰を集めています。
真田以降の歩み:仙石氏・松平氏による再建
関ヶ原の戦い後、上田城は徳川氏によって徹底的に破壊されました。しかし、その後に城主となった仙石(せんごく)氏、そして江戸時代を通じて統治した松平(まつだいら)氏の手によって見事に再建され、現在の美しい姿へと受け継がれてきました。私たちが今目にする石垣や櫓の多くは、この再建期の「歴史のレイヤー」が重ねられたものとなっています。
初めての観光で絶対に外せない!上田城の見どころ5選
現在の上田城には天守閣は残っていません。
しかし、城跡には石垣や土塁、堀の跡が残り、かつての城郭の姿を想像しながら歩くことができます。
上田城は、派手な天守閣を眺める城というよりも、地形・石垣・土塁・櫓門を見ながら、真田氏の戦略を感じる城です。
上田城の魅力は、単に建物が美しいことではありません。
城のまわりの地形、堀、土塁、石垣、出入口の構造などが、戦いの中でどのように生かされたのかを想像できるところにあります。
特に、尼ヶ淵側の崖や本丸周辺の土塁を見ると、上田城が自然地形を巧みに利用した城だったことがわかります。尼ヶ淵は、かつて千曲川の分流が天然の堀のような役割を果たしていた場所で、上田城の別名「尼ヶ淵城」の由来にもなっています。
広大な上田城跡公園内には、歴史の面影を色濃く残す遺構やパワースポットが点在しています。特に注目すべき5つのポイントを紹介します。

① 東虎口櫓門(ひがしこぐちやぐらもん)と真田石
上田城のシンボルとも言えるのが、平成6年に復元された「東虎口櫓門」です。その門の右手の石垣には、直径約3メートルの巨大な塊「真田石(さなだいし)」が鎮座しています。 真田昌幸が築城の際に据えたとされ、後に息子の信之が松代城へ移封される際、家宝として持っていこうとしたところ、微動だにしなかったという伝説が残る必見の巨石です。
② 尼ヶ淵(あまがふち)の断崖と南櫓・北櫓
城の南側に回ると、かつて千曲川の激流が削り取ったとされる切り立った断崖(尼ヶ淵)を見上げることができます。この崖の上にそびえ立つのが、江戸時代初期に再建され、現存する「南櫓」と「北櫓」です。自然の地形がいかに強固な防御壁となっていたかを体感できるスポットです。
③ 眞田神社(さなだじんじゃ)
本丸跡に鎮座する「眞田神社」は、歴代の上田城主(真田氏・仙石氏・松平氏)を祀る神社です。前述の通り二度も大軍を防いだ歴史から、「落ちない神社」として試験の合格祈願や開運・勝負運のご利益で知られています。境内には、真田幸村が着用したとされる「赤備えの巨大兜」のモニュメントもあります。
④ 真田井戸(さなだいど)
眞田神社の境内奥にある「真田井戸」は、本丸唯一の井戸です。この井戸には深い穴があり、城の北側にある「太郎山麓の砦」や「ねずみ城」へと通じる抜け穴になっていたという伝説があります。兵糧や敵の裏をかくための秘密ルートとして、真田の知略を今に伝えています。
⑤ 二の丸堀跡(ケヤキ並木の遊歩道)
園内東側の「二の丸橋」の横から階段を降りると、かつてお堀だった場所が美しいケヤキ並木の遊歩道として整備されています。秋には見事な紅葉のトンネルとなり、歴史散策の合間に心地よく歩けるおすすめの散策ルートです。
特におすすめは尼ヶ淵(あまがふち)の断崖です。必ず見学を。
上田城のご案内
二の丸橋


けやき並木遊歩道



平和の鐘



二の丸跡







東虎口櫓門・南櫓・北櫓・真田石
















櫓内部








真田神社












本丸跡














西櫓






上田招魂社




小いづみ橋・上田城跡公園野球場



尼ヶ淵へむかう急な階段




尼ヶ淵














上田城からの山々
天気が悪くてごめんなさい!



おすすめルート
初めて訪れる場合は、以下の順番で歩くとわかりやすいです。
二の丸橋
↓
東虎口櫓門
↓
真田石
↓
眞田神社
↓
本丸跡
↓
西櫓
↓
尼ヶ淵
↓
けやき並木遊歩道
所要時間の目安は、軽く見るだけなら30〜40分ほど。
写真を撮りながらゆっくり歩くなら1時間ほど見ておくとよいでしょう。
上田市立博物館や櫓資料館もあわせて見学する場合は、1時間半〜2時間ほどあると安心です。
また、上田城跡公園自体は散策しやすい場所ですが、石垣や土塁、尼ヶ淵周辺などは足元に注意したい場所もあります。歩きやすい靴で訪れるのがおすすめです。
写真を撮るなら、午前中から昼前は櫓門周辺が明るく写りやすく、夕方は石垣や城跡に落ちる光が美しくなります。桜や紅葉の時期は混雑しやすいため、落ち着いて撮影したい場合は朝の時間帯が狙い目です。
上田城への詳細アクセス・駐車場情報
上田城跡公園は、駅から徒歩圏内かつ高速道路のインターチェンジからも近いため、非常にアクセスしやすい観光地です。
電車(新幹線)でのアクセス
公共交通機関を利用する場合、最寄り駅は「上田駅」です。JR(北陸新幹線)・しなの鉄道・上田電鉄が乗り入れています。
- 東京方面から:北陸新幹線で「東京駅」から「上田駅」まで約1時間30分。
- 金沢方面から:北陸新幹線で「金沢駅」から「上田駅」まで約1時間45分。
【上田駅から城跡公園まで】 上田駅「お城口」から、真田十勇士のモニュメントなどを眺めながら市街地をまっすぐ歩いて徒歩約12分です。 ※歩くのが難しい場合は、上田市街地循環バス(あかバス・赤運行)に乗車し、「公園市役所前」バス停で下車すると便利です(乗車時間約4分、料金200円)。
お車でのアクセスと駐車場情報
【高速道路を利用する場合】 上信越自動車道「上田菅平IC」より国道144号線を経由して約4km(約15分)。
【おすすめの周辺駐車場】 城跡公園周辺には、スムーズに入出庫できるカメラ式システムを導入した有料駐車場が整備されています。
- 上田城跡 北駐車場(216台) 料金:1時間以内無料、以降1時間ごと100円(24時間上限1,000円) 特徴:櫓門や本丸跡まで高低差(階段)なしで移動可能。ベビーカーや車椅子、歩行に自信のない方にはこちらが断然おすすめです。
- 上田城跡 南駐車場(83台) 料金:1時間以内無料、以降1時間ごと100円(24時間上限1,000円) 特徴:芝生広場や二の丸堀跡の遊歩道に隣接。※城跡中心部(本丸)へ向かうには「急な階段を上る必要がある」ためご注意ください。
※桜祭りや紅葉祭りなどの「特別期間」は、3時間以内500円などの特別料金に変更される場合があります。 ※バイク(二輪車)でお越しの方は、上記北・南駐車場には入場できません。「上田城跡バス駐車場」内にある無料の二輪車専用スペースをご利用ください。
まとめ
上田城は、真田昌幸が築いた戦国の名城です。
徳川軍を二度退けた歴史から「難攻不落の城」「落ちない城」として知られ、現在も多くの人を惹きつけています。
天守閣は残っていませんが、東虎口櫓門、西櫓、石垣、土塁、真田石、尼ヶ淵など、城の歴史を感じられる見どころが数多くあります。
春は桜、秋は紅葉、冬は雪景色と、季節によって異なる表情を見せるのも上田城の魅力です。
上田城を訪れるなら、建物だけを見るのではなく、地形や石垣、土塁にも注目して歩いてみてください。
真田昌幸がどのようにこの城を守り、徳川の大軍を退けたのか。
その歴史を想像しながら歩くことで、上田城の魅力はより深く感じられるはずです。